・絶縁によって、電撃が起こらないようにすることが、保護手段の1つだと説明しました。
今回はその絶縁について、大きく下記2点について説明します。
(1) 絶縁の種類
(2) 絶縁の方法
1.絶縁の種類
絶縁の種類は下記3つの種類があります。
この3つの絶縁の種類は、絶縁の程度を決定する上で、覚えておく必要があるため、非常に重要です。
(1) 基礎絶縁
感電に対する基礎的な保護をするための絶縁。
感電に対する最低限必要な絶縁であり、過電圧などの要因により、この絶縁が破壊された場合、感電する危険がある。
(2) 二重絶縁 (基礎絶縁+補強絶縁)
二重絶縁とは、感電に対し、基礎絶縁が故障した場合の保護を行う、補強絶縁をさらに施したものの事。 基礎絶縁が何等かの原因で故障しても、安全性を保つことができる。
(3) 強化絶縁
強化絶縁とは、単一の絶縁で、電気的及び機械的性能が、二重絶縁と同等以上の感電保護をするように強化された絶縁の事。
2.絶縁の方法に関する項目
絶縁の主な要素として、下記4つの事項が挙げられます。
この3項目を考えることにより、絶縁は行うことができます。
(1) 空間距離
(2) 沿面距離
(3) インピーダンス (絶縁体など)
・空間距離とは
導電部から最も近い導電部までの空間的な最短距離のこと
これが短ければ、電撃が通ってしまいます。
・沿面距離とは
導電部から、最も近い導電部までを、製品の外形に沿った最短の距離のこと。
これが短ければ、電撃が通ってしまいます。
ただし、ケースの場合、例3のような溝があるケースでは、幅1mm以下では、無視します。
(この沿面距離と空間距離については、改めて詳細を話します。)
(3) インピーダンス (絶縁体など)
インピーダンスは主に、材質によって変化します。(表面の状態などによっても変化します。)
その材質が絶縁体であれば、基本的に電気を通さないため、電撃の保護になります。
ただ、接着剤のように、気泡が入ってしまったりするものは、気泡が入らないと証明が出来ない限り、保護手段として扱うことはできません。
以上が、絶縁の種類と方法になります。