Project_OKI’s diary

エンジニアの勉強ブログ

IEC60601-1 保護手段の種類(絶縁の種類と絶縁の方法)

・絶縁によって、電撃が起こらないようにすることが、保護手段の1つだと説明しました。

 

今回はその絶縁について、大きく下記2点について説明します。

(1) 絶縁の種類

(2) 絶縁の方法

 

1.絶縁の種類

絶縁の種類は下記3つの種類があります。

この3つの絶縁の種類は、絶縁の程度を決定する上で、覚えておく必要があるため、非常に重要です。

                   (1) 基礎絶縁

感電に対する基礎的な保護をするための絶縁。

感電に対する最低限必要な絶縁であり、過電圧などの要因により、この絶縁が破壊された場合、感電する危険がある。

 

                   (2) 二重絶縁 (基礎絶縁+補強絶縁)

二重絶縁とは、感電に対し、基礎絶縁が故障した場合の保護を行う、補強絶縁をさらに施したものの事。 基礎絶縁が何等かの原因で故障しても、安全性を保つことができる。

 

                   (3) 強化絶縁

強化絶縁とは、単一の絶縁で、電気的及び機械的性能が、二重絶縁と同等以上の感電保護をするように強化された絶縁の事。

 

2.絶縁の方法に関する項目
絶縁の主な要素として、下記4つの事項が挙げられます。


この3項目を考えることにより、絶縁は行うことができます。

      
(1) 空間距離     
(2) 沿面距離     
(3) インピーダンス (絶縁体など)

 

・空間距離とは
導電部から最も近い導電部までの空間的な最短距離のこと
これが短ければ、電撃が通ってしまいます。

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空間距離

 

・沿面距離とは
導電部から、最も近い導電部までを、製品の外形に沿った最短の距離のこと。
これが短ければ、電撃が通ってしまいます。

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沿面距離


 
ただし、ケースの場合、例3のような溝があるケースでは、幅1mm以下では、無視します。

(この沿面距離と空間距離については、改めて詳細を話します。)

 

(3) インピーダンス (絶縁体など)

インピーダンスは主に、材質によって変化します。(表面の状態などによっても変化します。)

その材質が絶縁体であれば、基本的に電気を通さないため、電撃の保護になります。

ただ、接着剤のように、気泡が入ってしまったりするものは、気泡が入らないと証明が出来ない限り、保護手段として扱うことはできません。


以上が、絶縁の種類と方法になります。

 

 

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