組み込み基礎知識(PINRSTF/PORRSTF/SFTRSTF/IWDGRSTFなどの意味)
1.目的
- 下記言葉の意味について簡単に記載する。
・PINRSTF:PINリセットフラグ
・PORRSTF:POR/PDRリセットフラグ
・SFTRSTF:ソフトウェアリセットフラグ
・IWDGRSTF:独立型ウォッチドッグリセットフラグ
・WWDGRSTF:ウィンドウ型ウォッチドッグリセットフラグ
・LPWRRSTF:低電力リセットフラグ
・BORRSTF:BORリセットフラグ
目次
2. PINRSTFフラグとは
PINRSTFフラグは、NRSTピンのPINリセットが発生したことを示す。
NRSTによるリセットが発生すると、このフラグがセット(1)になる。
nucleof401reの場合、黒いボタンがリセットボタンになっている。
3. PORRSTFフラグとは
PORRSTF(Power-On/Power-Down Reset Flag)は、
マイコンの電源オンリセット(Power-On Reset)または
電源ダウンリセット(Power-Down Reset)の発生を示すフラグ。
電源を初めて供給されたり、電源が一時的に断たれたりした場合、
電源オンリセットまたは電源ダウンリセットが発生する。
このリセットは、回路が正常な動作状態に戻るために実行される初期化プロセス。
PORRSTFフラグは、
リセットが発生すると、このフラグがセット(1)される。
フラグがセットされると、ソフトウェアからPORRSTFフラグを読み取ることで、
直前のリセットが電源オンリセットまたは電源ダウンリセットであることを判断することができる。
4. SFTRSTFフラグとは
ソフトウェアリセットにより、リセットしたことを示すフラグ。
マイコンの一連の初期化処理を実行して、自身をリセットし、再起動する。
ソフトウェアリセットは、
・リセットが発生すると、このフラグがセット(1)される。
・プログラムのエラーハンドリングや特定の条件に対する対応
・システムの再起動などの目的で使用される。(フォルトエラー時など)
ソフトウェアリセット関数
#include "stm32f1xx.h" NVIC_SystemReset();
5. IWDGRSTFフラグとは
・IWGD(独立型ウォッチドッグ)によって、リセットが発生した時、
セットされるフラグ。
・リセットが発生すると、このフラグがセット(1)される。
6. WWDGRSTFフラグとは
・WWGD(ウィンドウ型ウォッチドッグ)によってリセットが発生した時、
セットされるフラグ。
・リセットが発生すると、このフラグがセット(1)される。
IWGD及びWWDGについては、下記記事を参照
参考:STM32マイコン23(WDTでプログラム暴走時のリスタート処理) - Project_OKI’s diary
6. LPWRRSTFフラグとは
バッテリの電力が復旧した場合にマイコンを自動的に再起動する機能が低消費電力リセット。
つまり、低消費電力モードから通常の動作モードに戻る際に発生する。
このリセットが発生すると、このフラグがセット(1)される。
7. BORRSTFフラグとは
・電源供給が一時的に低下したり不安定になったりした場合に発生する。
・電源電圧が(パワーダウンするほどでもないが)ちょっと下がったときにリセットをかける。
・この機能はデフォルトではOFFになっており、
オプションバイトの設定で、有効にし、3段階の閾値電圧で設定する。