これから、IEC60601-1について学習したことを元に、IEC60601-1の対応の仕方について記載していく。
目的:IEC60601-1を学習し、その対応が出来るようになることを目的とする。
1. IEC60601-1 に出てくる基本性能と基礎安全についてのまとめ
1.1 そもそも規格ってなに?
医療機器の安全設計は、基準が設けられている。
その基準を、示したものが国際規格である。
1.2 国際的な規格を開発する機関
・IEC (International Electrotechnical Commission) :国際電気標準会議
・ISO (International Organization for Standardization) :国際標準化機構
上記機関が、機器の安全に関する国際規格を作っている。
(JISは、このIECにより、開発された医療機器電気機器関連の規格を技術的な内容を変更することなく、日本の国内規格として、制定したもののことである。)
1.3 基本性能と基礎安全とは、なんだろうか。
1) 基本性能とは
IECの規格において、基本性能は、安全に関係した基本的な性能の事を、基本性能としている。
もし、仮にこれが何らかの影響により、欠けた場合は、その医療機器は危険な状態といえる。
2) そもそも安全とは?
国際規格での安全(safety)の定義:受け入れられないリスクがないこと。
(リスクが存在しても、許容されるレベルであれば安全と見なすことを基本に国際規格が作られている。)
IEC60601-1においては、メーカーは医療機器のどの機能が安全に不可欠であるか特定しなければならない。
基本性能は、医療機器の安全にのみ関連があり、機器のメーカーの指定通りの動作を必須としているわけではない。
3) 基本性能の例
・間違った管理が患者にとって許容できないリスクになる場合:
正確な生命維持機能が必要
・警報の誤作動が医療関係者による間違った対応につながる場合:
警報の正しい動作が必要
例えば、超音波機器だと下記のようなことが考えられる
・超音波パワーが、人体に影響を与えるレベルの出力が出ていないこと。
・プローブの先端の発熱によって、人体に影響を与えないこと。
まとめ: 基本性能とは、安全に関係した基本的な性能の事であり、 基礎安全とは、受け入れられるリスクがないことである。