これから、IEC60601-1について学習したことを元に、IEC60601-1の対応の仕方について記載していく。(その2)
目的:IEC60601-1を学習し、その対応が出来るようになることを目的とする。
1. IEC60601-1 ってどんな規格?
患者保護手段(MOPP)と、操作者保護手段(MOP)について
1.1 IEC60601-1はどんな規格?
IECは、安全に関する規格であり、医療機器を安全に使うための規格を設けている。
その中でもIEC60601-1は、「医療用電気機器の基礎安全と、基本性能に関する一般要求事項」である。
このIEC60601-1の8章に、電撃ハザードに関する保護という項目がある。
患者保護手段及び、操作者保護手段は、この8章に関わってくる事項である。
何故電撃に関するハザードの保護が、8章に規定されているのか。
→IEC60601-1 は、医療電気機器に関する規格のため。
1.2 安全に使うためには、どうしたらいいだろうか。
安全を確保する一つとして、
IEC60601-1において、患者や操作者が電気機器やシステムと直接接触する可能性がある医療機器は、電撃からの保護に関する最大要件を定めている。
要件:大切な用事、必要な条件
1.3 電撃とは
・強い電流が体を通った時に、感じる衝撃
・体内に電流が通った際に体に受ける衝撃のこと (電気ショック)
その中でも、IEC60601-1では、感電によって、人体に傷害が及ぶことを電撃という。
→医療機器を使う際に、体に強い電気が流れないように、保護する必要がある。また、保護されていることを確認しなければならない。
1.4 電撃からの保護に関する最大要件とは何か。 どうやって電撃から保護するのか。
→リスクを最小限に抑えるために、製造業者は、電撃に対する2つの保護手段を製品に組み込むことを求めている。
(1つの保護手段が失敗したとしても、もう一つの保護手段が効力を発揮するようにするため)
保護手段(MOP):規格の要求事項に従って、電撃に起因するリスクを減らすための手段。
1.5 患者保護手段と操作者保護手段
保護手段は、大きく2つに分かれている。
患者保護手段(MOPP):患者への電撃に起因するリスクを減らすための保護手段。
操作者保護手段(MOOP):患者以外への電撃に起因するリスクを減らすための保護手段。
(操作者:機器を取り扱う人)
1.6 何故、操作者と、患者で保護手段が分かれているか。
患者は、物理的に接続され、故障が発生しても、気が付かない。また、麻酔下など医療従事者よりも弱い状態にある可能性が高い。
そのため、患者の保護のための措置に課される要件は、操作者保護のための要件よりも厳しいものとなっており、保護手段が分かれている。
※患者と、それ以外の人で、要求される保護手段のレベルが違う。
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