1.1 IEC60601-1の規格はどのようなものがあるか。 (通則、副通則、個別規格)
1.2 IEC60601-1で求められている事。
リスクを最小限に抑えるために、製造業者は、電撃に対する2つの保護手段を製品に組み込むこと
を求めている。
→何故2つの保護手段が必要なのか、また2つの保護手段だけでいいのか?
1.3 MOP(保護手段)とは
一般的な保護手段:容認できない危害のリスク(痛み、怪我による死亡、財産や環境の損傷)の可能性を減らすために、物理的な部品又はシステムまたは、指示による保護の事を言う。
1.4 IEC60601-1におけるMOP(保護手段)とは
規格の要求事項に従って、電撃に起因するリスクを減らすための手段。
1.5 保護手段(MOP)の実装方法 (2つ)
・2つの別々の手段を実装する方法
・1つの対策を2回適用する方法
上記2つを製造者は選択することができる。
1.6 保護手段の具体例
1.6.1 保護手段とはいうが、具体的にどういう所を考慮すればいいのか。
(1) 電撃の通る経路、どういう場合に電撃が人体に加わるかを考えてみよう。 (医療機器から、人体に電撃が起こる原因は?)
例えば、
・製品が大きな電圧を生み出し、患者、操作者を通して、大地に流れる。
・外部から、大きな電圧が医療機器本体外装に加わった時
などが考えられる。
これを製品を想定して、考えていく。
製品の概要:
・温度を測定する装置
・先端の測定部(プローブ)を患者に当てて、温度を測定。
・外装:段ボール(コスト削減)
・コンパクト化するために、ぎりぎりまで小さくしている
・ACアダプタ、PCと接続
・電池無し
上記装置を下記状態で使った時どのような経路で電撃が加わる可能性があるかを考えてみる。
上記状態を考えた場合、下記のような電撃の経路が考えられる。
MOP(保護手段)は、その経路に対して、絶縁し、電撃が起こらないようにすることを目的としている。
・電源部分が壊れて、大きな電圧がACアダプタに加わり、患者、又は操作者に電撃が加わる。
・ACアダプタを使っていない時に、ACアダプタ接続部分に大きな電圧が本体に加わり、患者、又は操作者に電撃が加わる。
・本体のビスなどの金属部分に、大きな電圧が加わり、医療用機器本体を通して、患者、又は操作者に電撃が加わる。
・本体のSIP/SOP(PC通信部分)を通して医療用機器に、大きな電圧が加わり、患者、操作者に電撃が加わる。
・プローブコネクタの接続部に大きな電圧が加わった時
・他の機器が壊れるなどして、プローブに大きな電圧が加わり、外装から大地に電流が流れる。
・他の機器が壊れるなどして、プローブに大きな電圧が加わり、本体のSIP/SOPからPCに電流が流れた時。
・ACアダプタに大きな電圧が加わり、PCを通して、操作者に電撃が加わる。